ベールを被る理由とは?



ここでは、ベールを被る習慣について、
みなさまと一緒に、考えていくことができましたら幸いです。
ご意見やご感想も、お待ちしております。

天使の故に:カトリックの伝統に於けるベールの研究

新約聖書から(フランシスコ会聖書研究所訳注 ISBN 978-4-8056-4000-5)

(1)宗教的ベール


 コリント人への第一の手紙:(五十四〜五十七年の三年間滞在したエフェソから(聖パウロにより)書き送られた。パウロは五十年〜五十二年にコリントに教会を建てたが、同地を訪問した人から彼を不安に駆り立てるような知らせを聞かされた。(中略)七〜十五章では、その時までに書面で尋ねてきていた諸問題、特に結婚、聖体、聖霊の賜物、彼らの間で愛が果たす役割(有名な十三章)、死者の復活について答えている)(p.514)

第三項 キリスト者の集会において守るべき秩序について(11.2-34)
典礼集会における女性のかぶり物

 ところで、わたしはあなたがたをりっぱだと思います。わたしのことをなにかと覚えていてくれて、わたしが伝えたとおりに、伝えられたものをしっかり守っているからです。しかし、あなたがたに知ってもらいたいのは、キリストはすべての男の頭であり、男は女の頭であり、神はキリストの頭であるということです。すべて男は、祈ったり預言したりするときに、頭を覆うなら、自分の頭を辱めることになります。一方、すべて女は、頭に何もかぶらずに祈ったり預言したりするときには、自分の頭を辱めることになります。それは、髪を剃っているのと全く同じことだからです。女がかぶり物をかぶらないなら、ついでに髪も切ってしまいなさい。髪を切ったり剃ったりするのが、女にとって恥ずかしいことなら、かぶり物をかぶりなさい。男はかぶり物をかぶるべきではありません。神にかたどられたもの、また、神の誉れでもあるからです。しまし、女は男の誉れです。なぜなら、男が女を元にして造られたのではなく、女こそ男を元にして造られたからです。また、男が女のために造られたのではなく、女こそ男のために造られたからでもあります。ですから、女は、天使たちの思惑を考えて、頭に力のしるしをかぶるべきです(註)。いずれにしても、主と一致しているなら、男なしに女はなく、女なしには男はないのです。女が男を元にして造られたのと同様に、男も女によって生まれるからです。しかし、全てのものは神に由来しております。

 あなたがた自身で判断してください。女がかぶり物をかぶらずに神に祈ることは、ふさわしいことでしょうか。男が髪を長くしていれば恥となるのに対し、女が髪を長くしていれば誉れとなるということを、自然そのものがあなたがたに教えてはいないでしょうか。と言うのも、長い髪はかぶり物として女に与えられているからです。以上のことに異議を唱えたいと思う者がいるとしても、わたしたちには女がかぶり物なしで祈ったり預言したりする、そのような習慣はなく、また、神のものである諸教会にもありません。(p.608-p.610)

 註:直訳では、「それだから、女は天使たちのために、頭の上に権威(能力・力)をもつべきである」。「権威」とは、夫の妻に対する権威を象徴する「かぶり物」を指すと通常解釈されているが、これは数ある解釈の一つにすぎない。最近の最新解釈によれば、「かぶり物」は、むしろ、集会の礼拝における女性の「自由のしるし」と考えられる。すなわち、女性にとって頭を覆う「かぶり物」は、他者の支配下にあることのしるしとしてではなく(14章34節参照)、神を礼拝するに当たり何者にも束縛されていないしるし、集会で祈ったり預言したりする「能力」または資格があることのしるしであるーーこの「能力」や資格は、キリストから受けたものであり、さらに、キリストとの一致に基づく神と人間の関係にあっては男女の別はない(ガラテヤ3章28節参照)。したがって、「かぶり物」をかぶる時、女性はもはや「男の誉れ」(7b節)ではなく、男性と全く同じように「神の誉れ」となるということをここでは意味している。キリストと一致している女性には、天使と同様に、また天使とともに直接神を賛美する「能力」あるいは権利がある。この解釈によれば、「天使たちのために」という表現は、「天使たちのためを思って」、あるいは「天使たちの思惑を考えて」の意となるであろう。つまり、礼拝の時に女性が「かぶり物」をかぶらないならば、それは、神を直接に賛美している天使にとり、仲間を失うことになる、という意味である。(p.609-p.610)


ベールの色々(New Adventから)

(1)宗教的ベール
 古代ローマでは、赤いベール(すなわち赤い縞を備えたベール)は、新婚の女性と未婚の女性を区別するためのものでした。 キリスト教の、その最も初期の頃から、教会は乙女、キリストはその乙女に対する唯一の夫として表わされてきました。聖パウロ(コリント一書7章:34節)によるなら、その乙女は夫を喜ばせなければなりませんでした。

 ウェスタルの処女(多神教下の古代ローマ宗教における女性司祭)が行ったように、キリストの花嫁が(ベールを)するのは当然の事でしたので、純潔をあらわすというよりむしろ キリストに対する不可侵の忠実さと尊敬を記号化するためのもので、聖オパチュスによるなら「一種の精神的な結婚」としてでした。 その頃ベールは、変わらぬ貞節の義務を示していました。即ち最初には不法な性交の禁止、次いで結婚そのものを指すようになりました。 乙女らはこのベールを自ら手に入れるか、あるいは親の手からそれを受け取りました。さらにベールは未亡人により着用されるようにました。それは、節制の公言となり、以下の様な言葉で呼ばれていました。
(velum, velamen, maforte, flammeus (flammeum), flammeus virginalis, flammeus Christi) (Wilpert, "Die gottgeweihten Jungfrauen in den ersten Jahrhunderten der Kirche", p. 17)

 この個人のベールの使用に加えて、司教の司式、時として司祭が代理する(Fulgentius Ferrandus, "Breviarum canonum", can. xci; P.L., LXVII, 957)聖なる犠牲の祭日の期間中に用いられる別の荘厳な衣類(の着用)が初期に設けられました。(参照 聖ジェローム "Ad Demetriadem", ii; P.L., XXII, 1108; 聖アンブロシウス "De lapsu virginis consecratae", v; P.L., XVI, 3726)

 未亡人に対しては司祭が行うのに対して、ほどなくして、乙女の荘厳なる奉献は司教の権利として担保されるようになりました。彼女達が皆修道生活に入ったという訳ではありませんでした。修道生活に入った者は、院からその宗教的職業を象徴するベールを受け取りましたし、25歳を過ぎた修道女は特別な奉献の徴であるベールを荘厳に司教から受け取っていました。


(2)フメラーレ・ベール
 長さ約8フィート(2m40cm)および幅1.5フィート(45cm)の角胴形をした布で、"Cæremoniale Romanum (l. I, c. x, n. 5) "(ローマ儀典書)は絹であることを要求しています。 房は通常端に付けられます。一方、十字架、「イエズス」、あるいは他の表現は中心に飾られます。フメラーレにはふんだんに刺繍が施されます。脱衣を防ぐため、ポケットあるいはフラップ(翼)が下端部にあります。このポケット或いはフラップは、そのもので対象物を保持するためにありますが、これらはベール自体の代わりに用いられます。 フラップ(翼)はあまり望ましくありませんが、ポケットに対する重大な反対はありません。 肩衣(フメラーレ)は後部および肩をカバーするように着用されます。また、その2つの端部は正面の中央で下に向かって掛けられます。 肩からそれが落ちることを防ぐために、締め金またはリボンを備え、胸を横切って固定されます。

 荘厳ミサでは、 副助祭によって、奉納の終わりからパーテルノステルが終わるまで、パテナを持つ為に使用されます("Ritus celebr.", vii, 9, in "ローマミサ典書" ; "司教儀典書" 1. I, c. x, n. 6; II, viii, 60)
 司教ミサでは、蝋燭持ち(アコライト)が、コルポラーレを着用しない場合、司教のミトラを棒持するために用います。("司教儀典書", I, xi, 6)
 司祭または司教は、フメラーレベールの下に手を副えて、オステンソリウムに納められた御聖体を棒持します(聖体賛美式、聖木曜日に御聖体を保管場所に納める際、聖金曜日に御聖体を御聖櫃に戻す際、ヴィアティクムに御聖体を携えて病者の訪問をする際)(ローマミサ典書、司教儀典書、ローマ儀式書)

 ミトラベアラー(棒持者)の場合、特段の色の指定はありません。パテナを棒持する副助祭の場合は、他の衣服と同じ色である事が指定されています。黒いフメラーレはありません。死者のためのミサの際、同様に聖金曜日には、パテナは祭壇におかれたままだからです。


ベールと教会法

 教会法とはカトリック者全てに適用される規範です。1917年から1983年に至る迄、1917年の教会法が適用されていました。その教会法には1983年の教会法には示されていない多くの規定が載せられていました。それらのうちの一つが、男性と女性に対して宛てられたヘッドカバーに関するものでした。


(つづく)





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